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2007年3月27日(火)
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僕は物を持ちすぎて、大切にするということを忘れました。僕はおいしいものを食べ過ぎて、感謝する気持ちを忘れました。僕はお金を持ちすぎて、備えるということを忘れました。僕は薬を飲みすぎて、予防するということを忘れました。僕は良い音楽を聴きすぎて、批判することを覚えました。僕はたくさん服を持ちすぎて、凍えることを忘れました。僕は自動化することを覚え、わがままになりました。僕は安全な家に住んで、警戒することを忘れました。僕は捨てることを覚え、地球を汚しました。僕はニュースで殺人事件を見て、何も感じませんでした。僕はいろんなものを持ちすぎて、心を無くしました。僕は今でも自分のせいじゃないと思っています。僕は環境破壊が進んだ地球を写真集で見て、涙しました。僕は貧しい子供たちを映画で見て、助けてあげたいと思いました。僕はゴミをポイ捨てする人を見て、腹が立ちました。でも僕の生活は何も変わりませんでした。今日もまた新しいものを買い、古いものを捨て、地球を汚し、資源を無駄使いし、貧しい人を放置しました。これが幸福な生活なのでしょうか?時々思います。幸せとは何なのか?僕はこんな生活をしていても、全然幸せではありません。
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2007年1月9日(火)
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「全部この時代のせいだ」なんてつぶやいてみても誰も分かっちゃくれない。無気力になっていく自分、昔の考えを押し付ける親、このままではいけないと思いつつ流されていく。もっと早く生まれたかった。目的がある時代に。みんなが同じ目的に向かっていて、それが正しいかとか間違っているとかを考えないで生きていける時代に。戦争中は国の為に戦った。天皇陛下を信じていれば間違いなかった。戦後、高度成長に入った。暮らしを豊かにするために必死に働いた。すばらしい時代が来るとみんな信じていた。そして今、混沌の中にいる。世界で1、2を争う先進国になった。でも住みよい国ランキングの上位になることはなかった。正しいと信じていたことが、信じられなくなった。間違っているのかさえも分からなくなった。親たちは、昔の考えを持ち続けながらも都合が悪くなると新しい考えを持ち込んだ。僕たちは時代の犠牲者なのに、親たちは理解してくれなかった。こんな混乱した時代には強烈な指導者が必要だった。自分の弱さを隠すように宗教活動に時間を費やした。やがて宗教は犯罪へと姿を変え、人は去っていった。僕らは常に不安だった。将来がどうなるか見当も付かなかった。心から信じられる存在は見つからなくて、どうすればいいかも分からなかった。でも親たちは昔の理論と今の理論をごちゃ混ぜにした訳の分からない理由で僕たちを説得しようとしている。彼らには昔がある。でも僕らには今しかない。勝てるわけがない。時代が急激に変わりすぎたんだ。今、すべての社会問題がこの不安に基づいていることにどうして気づかないんだろう。どうして何も変わっていないような平気な顔をして生きていけるんだろう。変わってしまったのは、彼ら自身だというのに。今日もどこかで、「ひどい時代になった」と「昔から変わらない」が交錯している。
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2006年9月20日(水)
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僕は真夜中に病院を抜け出して、彼女の家へ向かった。あの本を右手に持っている以外、他には何も持ってなかった。「ただいま」と声をかけたが返事はなかった。ただ僕の目を見つめているだけだった。明らかに希望が少なくなっていることが分かった。彼女をソファーに座らせ、持ってきた本を開いた。「この本には白紙のページがたくさんあるだろ?なんでか分かる?未来は白紙だってことだよ。自分でいくらでも書き込めるんだ。自分で意図したことだけじゃない。知らない人に声をかけたりとか、入ったことない店に入ったりしただけで未来はどんどん変わっていくんだ。だから僕らの未来もどれだけ本を探したってどこにも書いてない。わかるよね。この本はわざとあいまいにして誰にでも興味を持たせるように書いてあるだけで何の意味もないんだ。ただの金儲けだよ。僕らはみんな怖いんだ。未来がどうなるのか。でもみんなそれを隠して平気な顔して生きてる。この世界では本当のことを本当だと主張すると頭がおかしくなったと思われてしまうことがあるんだ。だってみんな認めたくないんだから。よく考えもしないで間違ってると一方的に決めつける。正しいことと間違ってることは多数決で決められるんだ。本当に正しいかどうかなんて誰も気にしちゃいない。それを気にしてたら変人扱いされてしまうからね。この本が教えてくれたのはふたつだけだ。未来は白紙だってことと、真実は自分の中だけにあるってことだ」「じゃあ、私は何を信じればいいの?」「目の前にあるものだけを信じればいいのさ。昔から人はそうやって生きてきた」「私たちはこれからどうなるの?」「それは僕たちがこれから決めることだよ」僕は本の最後のページを開いて彼女に渡した。彼女はしばらく考えてから、白紙のページにこう書き加えた。「永遠に今のままで」(完)
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2006年9月11日(月)
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病気は予想以上に進行していた。ずいぶん前から体調不良を感じてはいたが、料理好きで食生活はきちんとしていたし、健康には人一倍気を使っていたせいか大きく悪化したことは一度もなかった。担当医に余命5ヶ月を宣告されたとき、何の感情も起こらなかった。自分はどうなったっていい。でも彼女を守ってあげることができないと思うと少し不安になった。(時間が止まってしまえばいいのに)願いは天に届くはずもなく、時間は過ぎ、彼女がまたやってきた。話すべきことがたくさんあるような気もしたが、たいして話すことなんてなさそうだった。彼女は、いつもの笑顔に一滴だけ不安をたらしたような顔で言った。「検査の結果はどうだったの?」なんともなかったと嘘をつこうと思ったが、そうする意味がないように思われた。「あと5ヶ月だって」僕は本当のことを言った。「ウソっ」彼女の目は見る間に潤んでいった。「本当だよ」それ以上何を言ってもからっぽの言葉しか出てきそうになかった。動くまいと必死に耐えていた涙が限界に達し、一筋となって頬を伝った。今まで見たどんな宝石より美しいと思った。彼女を抱きしめたいという強い衝動に駆られた。でもできなかった。もう僕には彼女を守る自信がなかった。彼女は必死に冷静なふりをしているのが痛いほど分かった。「ずっと考えてたの」思いがけないほど力強い彼女の言葉だった。「あの本の意味を。まだよくわからないけど。でも、あなたの病気があの本に書いてあった環境の一変だと思うの。だから、私が頑張ればあなたの病気は治るってことじゃないかな?ね、そうでしょ」「人にはどうしようもできないこともあるんだ」「じゃ、私はどうすればいいの?」「僕もあの本の内容をずっと考えていたんだ。今日君の涙を見て答えがわかったよ。大切なのは、何が起きるかじゃなくて、心がどう変わるかなんだ。僕が死のうが生きようがたいした問題ではない。僕が病気と分かった時に君の心が少しも変わらなかったら、ただ悲しいだけで終わってしまうんだ。病気はきっかけにすぎない。そこで君がどれだけ成長できるかということなんだよ。成長っていうのは、どれだけ人を信じられるかってことなんだと思う。そして自分のエゴを捨てて、どれだけ人のために行動できるかなんだ。裏切られることもあるかもしれないけど、信じなかったらそれ以上広がっていかないからね。僕は、命があとわずかだって分かったからといって、自暴自棄になったりとか人を傷つけたりはしないよ。僕は君のためにできることをやるんだ。限られた時間をすべて使ってもね。いいかい、よく聴くんだ。僕は病院を抜け出す。だから君は家で待っていて欲しい。僕を信じてくれ」もう彼女の中に一滴の不安を見つけることはできなかった。(続く)
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2006年8月28日(月)
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ベッドの横で、少女が本を読んでいた。僕に気づくと、少女は顔を上げ微笑んだ。「良かった、目が覚めて。永遠に眠ったままなのかと思ったわ」彼女の優しさが滲み出た笑顔を見ていると安心してしまい、なぜ僕がここにいるのかという疑問すら頭から消え去った。「ずっと傍にいてくれたんだね。ありがとう」「ううん。あなたにはずいぶん助けてもらったわ。少しでもそのお返しができればと思って」人の役に立てたことがうれしいのか照れながら下を向いた彼女を愛おしく思った。彼女に出会ったのは1年前の事故だった。僕の両親と僕が乗った車が彼女の両親と彼女が乗った車に正面衝突した。原因は僕の父の居眠り運転。結果は僕の両親と彼女の両親が即死。後部座席に乗っていた僕と彼女が奇跡的に助かった。それ以来僕は年下の彼女の世話をしていた。世話と言っても実際何もできないんだが、彼女がひとりで寂しいときに傍にいてあげることはできた。彼女もそれを望んでいるようだった。「今日は命日だよな。一緒にお墓参り行こうと思って君の家へ行くところだったんだ。こんなことになってごめん」「気にしなくていいよ。お墓参りなんていつでも行けるわ」視線が彼女の抱えている本にいった。「何読んでるの?」「本屋さんで偶然見つけたの。面白そうだなと思って買ってみたんだけど、難しくて。こういうの哲学って言うのかな?」「見せて」ページをめくると大きな字が目に飛び込んできた。『まもなく、あなたを取り巻く環境が一変するだろう。それによって周りだけでなくあなたの心の中も大きく変わることになるだろう。良い方向に変わるか、悪い方向に変わるかは、あなた次第だ』(どっかで聞いた言葉だな)「どうしたの?そんな険しい顔して」「いや、なんか聞いたことある言葉だなって思って。あ、この本前に読んだことあるんだ。2年ぐらい前だったかな。ずっと忘れてたけど。だとすると、環境が一変するっていうのがあの事故のことだったのか」「え?これって予言か何かなの?ただの偶然でしょ」「偶然だといいんだけど、なんか引っ掛かるんだよね。この本を読んだときにも思ったんだ。うまく説明できないけど」「じゃ、今日この本を読んだ私にとって何が起きるの?もうこれ以上辛いことなんてないよ」「ごめん。ただの偶然だよな。考えすぎだった」僕は彼女を安心させるためにそう言ったが、何かがどこかで繋がっているような奇妙な感覚は消えなかった。その何かを突き止めなければいけないと感じていた。(続く)
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2006年8月22日(火)
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不思議な出会い。出会おうとしても出会えない。でも待ってばかりいても出会えない。神様だけが知っている。次の出会いを。 僕は本屋で一冊の不思議な本に出会った。表紙を見た瞬間懐かしさが込み上げてきて、手に取ると何とも言えない心地よさが全身を包んだ。生まれた時からずっとこの本を求めていたのかもしれない。急いでお金を払い走って家に帰り、表紙をめくってみた。白紙。何も書かれていない。さらに1ページめくってみた。そこには大きな文字でこう書かれてあった。『まもなく、あなたを取り巻く環境が一変するだろう。それによって周りだけでなくあなたの心の中も大きく変わることになるだろう。良い方向に変わるか、悪い方向に変わるかは、あなた次第だ』(なんだこれは?予言?環境が変わるって何のことだ?転勤になるんだろうか?誰かが死ぬんだろうか?もしかして僕が死ぬのか?そりゃすごい環境の変化だ)あまりにも抽象的すぎる言葉に、意味を考えることに疲れその日は眠ってしまった。そして長い間その本を開くこともなく、存在すら忘れていた。そう、あの日までは。 その日は朝から雨だった。大雨洪水警報が発令され、ニュースでは濁流と化した川を背にアナウンサーが警戒するよう叫んでいた。(どうせすぐやむだろ)ニュースは他人事でしかなかった。自分が住んでいる地域の出来事であっても。所詮はブラウン管に映った映像にすぎなかった。僕には今日どうしても行かなければ行けない場所があった。歩き始めるとすぐ、傘を差していても足下はずぶ濡れになった。それに高音多湿が追い打ちを掛けた。(やっぱり今日外出するのは無理があったか?どうして今日に限ってこんな天気なんだ)頭が少しずつもうろうとしていくのが分かった。注意していたつもりだったが、足下をすべらせバランスを失った。体勢を立て直そうと踏ん張ったが無理だった。体が地面に向かって倒れていくのが分かった。そこで僕は記憶を失った。気づくと病院のベッドで横になっていた。(続く)
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2006年5月14日(日)
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「桜の花びらが降ってきたよ。きれいだね」「そうだね」桜の咲く季節になっていた。いつのまにか少年と少女は一緒にいる時間が多くなっていた。少女はまったく花びらを見ようとしない少年を不思議に思っていた。「桜に興味がないみたいね」「どうして」「全然見ようとしないじゃない」「ちゃんと見てるよ」少年はずっと違う方向を見ているままだった。「じゃあ、あのベンチの上に何枚桜の花びらが乗ってる?」「え?」少年の顔に明らかに動揺の色が見えた。彼は黙ったままだった。少女も言葉を続けることが出来なくなった。嫌な予感が的中した気がした。もしかしてが現実になっていく恐怖を感じていた。彼女がどうにか絞り出した言葉は僅かに震えていた。「見えないの?」少年はうつむいていた。「そんな。どうして?」少女も何を言うべきか迷っていた。「いつから見えなくなったの?」「もう忘れちゃったよ。かなり前のことさ。見えてた時の記憶なんてほとんどない」「それでよく普通に生活できるね」「目がだめになったら他の感覚が鋭くなるものさ。もちろん最初はつらかったよ。どうしたらいいか分からなかった。早く普通の生活に戻りたいって思った。どうしたら普通の人と同じことが出来るか必死に考えた。でも。でも、いまはそんなことは考えない。何かがうまくなりたいとか誰かに期待したりとか、そういうのはどうでもいいんだ。死んだっていいって思ってる。でも自分では死ねないからね。こうやって目立たないように息をしてるんだ」「死んでもいいなんて言わないで。私はあなたに会って生きる大切さを知ったの。あなたが教えてくれたのよ。あなたに会う前の私は何をやってもだめで、ずっと人の後ろを追いかけて真似することしかできなかったの。自分のことなんてどうでもよかった。ただみんなに嫌われないように必死に笑顔を作っていた。家に帰った時には疲れ果ててて、死んだように眠っていたわ。でもあなたには強さがあった。他人に振り回されたりしないで、自分というものを持っていた。あなたはすごく輝いて見えた。でも実際は空っぽだったのね」少女は一気に言葉を吐き出して、うつむいたまましばらく時間が過ぎた。少年には彼女の言葉が全く理解できなかった。ただ圧倒されていた。自分に少女の人生を変えることなんて出来るはずがないと確信していた。沈黙に耐えきれなくて少女は言葉を続けた。彼女の目にはうっすらと涙がにじんでいた。少年にはもちろん分かりはしなかった。「あなたには夢はないの?」「夢?目が見えない僕に夢が見れるわけないじゃないか」「夢は目で見るものじゃないわ。心で見るのよ。あなたが一番分かってるはずでしょ」少女の目からは既に大粒の涙がこぼれていた。少年はまだうつむいたまま唇を噛みしめていた。「でも、どうしたらいいか分からないよ」「私があなたの目になってあげるわ」「え?」少女は少年を抱きしめていた。少年は最初びっくりしたが、なんともいえない温かさに包まれてすぐに落ち着いてきた。暗闇だけが支配していた彼の世界に明るい光が差してきたかと思うと、ひとりの女の子の顔が見えてきた。少女の顔に違いないと確信した。「君の顔が見えるよ。今まで何も見えなかったのに。嘘みたいだ。君はこんなにかわいかったんだね」もう少女の涙はすっかり乾いて、笑顔が戻っていた。昔は他人の為に生きていた。その後しばらくは自分の為に生きた。そして今は少年の為に生きていることが少女には嬉しかった。彼女はこの瞬間が永遠に続けくように何度も何度も祈り続けた。(完)
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2006年4月17日(月)
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あれから数日後、昼休みにひとり教室で窓に向かって座っている少年を見つけた。クラスメートは校庭で遊んでいて、教室には誰もいなかった。少年の前の窓は開いていて、緩やかな風が彼の髪をわずかに揺らした。彼の背中はとても寂しげで少女は目をそらすことができなかった。彼女はゆっくりと近づくと、少年の手に一羽の白いインコが乗っているのに気づいた。インコは全く動かず彼の手のひらに横たわっていた。「死んでいるの?」少女の問いかけに振り向くこともなく少年は言った。「いや死んでなんかないよ。ただ混乱しているんだ。ずっと、ずっと籠の中に閉じ込められて、飛ぶことを忘れてしまったんだ。翼が何のためにあるのか分からなくなってしまったんだ。でも自由に空を飛んでる鳥より、ずっと、ずっと心の中で大空を飛びたいと切望してるんだよ。だからこいつは少しおかしくなってしまったんだ」「どうして鳥のことが分かるの?しゃべれるの?」「鳥に言葉なんかないよ。ただそういう感じがしただけさ」「ふーん。あなたって変わってるのね。あなたみたいな人に会ったの初めて」一瞬少年の顔に笑みが浮かんだ気がした。少年はインコの頭に優しく触れると、「大丈夫。怖くないよ」と呟いた。彼の顔は優しかった。いつも無表情だった彼の顔が別人のようになっているのに少女は戸惑った。少年は自分に言い聞かすようにもう一度繰り返すと、インコが起き上がった。「君は自由だ」力強い言葉だった。「孤独かもしれない。でも君は自由だ。すべてを失ったとしても自由さえあればまたやり直せるんだ。寂しくて涙が止まらない夜には、誰かのぬくもりを求めればいい。裏切られて誰も信じられなくなったら、ひとりになればいい。もうこれ以上失うものがないから強くなれる。これからは強くならなくてはいけないんだ」インコがわずかに羽を動かした。「ここは君のいるべき場所ではないよ。家に帰るんだ。場所は分かってるんだろ?」インコはゆっくりとクチバシで少年の手のひらに触れた。少女にはインコが少年に優しくキスしているように見えた。そしてゆっくりクチバシを離すと後ろを向き、大きく羽を広げた。まだ動くかどうか確かめるようにゆっくりと羽を上下に揺らしてから、窓の外に向かって勢いよく飛び立った。インコは少年にさよならを言うように一度大きく旋回し視界から消えていった。インコのいなくなった教室では少年がいつものように無表情に空を見上げていた。少女は言葉を発することができなかった。どこかで何かが、コトッと音を立てた。少女は彼女の心に何か大切なものが置かれたんだと気づいた。それを詳しく見ることはまだ出来なかったが、それが彼女の心を穏やかにしていくのが分かった。もう言葉は必要なかった。言葉にできない何かに満たされていた。すでに彼女がそばにいることすら忘れてしまったかのような少年の横顔を見て少女は微笑み、彼に背を向けた。そこで昼休みの終わりを告げるチャイムがふたりきりの教室に響き渡った。(続く)
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2006年4月6日(木)
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他人の気持ちになって考えられるつもりだった。慣れきってしまって感謝することを忘れてしまうまでは。 少女はテレビの画面を身動きひとつせず見つめていた。テレビでは人気のお笑い番組に多数の若手芸人が登場し自分達の持ち時間を使って必死に笑いを生み出そうとしていた。しかし少女は面白いと笑うことも、つまらないと怒ることもなしに、何かの暗号を解読するかのように一点に集中していた。もしかしたら彼女には何も見えていないのかもしれない。何も聞こえてすらいないのかもしれない。些細なことを考えることすら放棄して自分の外側に殻を作っているようにも見えた。最近人気急上昇中の二人組が歌をうたうような軽快なリズムでネタを締めくくると一旦CMを挟んだ。そこで少女は、「あっ」と声を漏らし、小さくため息をついた。「明日なんて来なければいいのに」もし隣に誰かがいたとしても聞こえないほどの小さなつぶやきだった。(どうせ今日と同じなんだ。明日になっても何も変わらない。私はブスで、頭が悪くて、運動もできない。何をやっても中途半端で終わってしまう。明日もクラスで一番かわいくて人気のある子の機嫌をとって、嫌われないように目立たないようについて歩くの。私にはそれしかできないの。私はからっぽだから) 次の日学校に行くと、担任の先生が転校生を紹介した。体がちいさい男の子で、動作が少しぎこちなかった。まるで体の半分が機械で出来ているようだった。少し人と違うその少年は、すぐにクラスのみんなからからかわれたり仲間はずれにされたりして、休み時間にはいつもひとり空を眺めていた。口数も少なく、少女はまだ彼と話したことさえなかった。それどころか彼の存在を完全に忘れていることの方が多かった。人気者に遅れないで付いていくのがやっとで、少年のことを思う余裕はなかった。少女には他に誰も知らない秘密の隠れ場所があった。仲良しごっこに疲れ果て、どうしても作り笑いが出来なくなった時に、裏庭の背の低い木が3本集まって生えている場所にやって来るのだった。そこはどの方向からも遮られていて誰も入ってくることはなかったが、晴れた日は太陽の光が上から降り注ぎ青空がよく見えた。少女は学校の中で唯一ここにいるときだけ安心することができた。ある日少女が隠れ場所にやってくると、ひとりの少年と目が合った。少女はびっくりして大声を上げ倒れそうになるのを必死でこらえた。自分の場所にあの転校生がいた。「ここで何やってるの?」初めて少年に話しかけた。彼はぎこちなく体を左右に揺らしながら言った。「今日は空が赤くてきれいだから見てたんだ」「赤い?馬鹿じゃないの?空は青いのよ。ここは私の場所なの。勝手に入らないで。気持ち悪い。今すぐ出てって」少女は無理矢理少年の腕をつかんで引っぱり出した。少年は「ごめん」とちいさく言いふらふらと歩いていった。それ以来、少年が隠れ場所にやってくることはなかったが、少女の唯一落ち着ける場所は完全に失われてしまった。彼女がこの場所へ来ると、必ず少年のことを思い心がせわしなくざわついた。彼女にはそれが何なのか分からなかった。(続く)
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2006年3月8日(水)
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主よ、あなたが本当に私の主であるならお答えください。主よ、どうして私を導いてくださらないのですか?どうして学ぶべきことを教えてくださらないのですか?私はあなたと話がしたかった。うわべの会話だけでなく、心の底から意見をぶつけ、話し合いたかった。そしてできることならあなたを尊敬し、多くを学びたかった。しかし、とうとう私はあなたが何を考えているのかが分からなかった。あなたはいつも私を見ているようで見ていなかった。あなたの言葉はいつもどこか空虚に響いた。私は悩みました。これからどうするべきかを。そして私はあなたの元を離れることに決めました。主よ、どうして引き止めてくれなかったのですか?あなたと私はどんな関係だったのでしょうか?あなたと私はいままで何をしてきたのでしょうか?ずっと無駄な日々を過ごしてきたのでしょうか?もっと多くのことを一緒に力を合わせてできたのではないでしょうか?それとももっと早くあなたの元を離れるべきだったのでしょうか?分かりません。どれだけ考えても分かりません。長い間考えていたら、こんな考えも浮かんできました。主よ、もしかして私を導いてくださらなかったのは、私の心の片隅にあるあなたへの軽蔑に気づいていたからですか?
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2006年2月8日(水)
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神と悪魔が闘う場所を僕は知らない。真剣にできる限りを尽くし、それでもどうしようもないところに神と悪魔はいる。僕はいつも真ん中の生ぬるいところにいて、端に行くような冒険はしてこなかった。でも、いつも周りには敵しかいないかのように身構えていて、全身の筋肉が硬直し痛みを感じるようにまでなっていた。変化を求めているふりをしていたが、実際は恐怖を隠しているだけだった。そう、僕は逃げ出したんだ。この現状から。高い壁に隔てられ、独房のような部屋に閉じ込められ、一方では干渉されないことに安堵し、一方では外に出たいとドアを叩き助けを求める。自分が自分でなくなっていく気がして怖くなる。もうすべてを正直に話します。僕は逃げ出しました。何かが間違っている気がするけど何が間違っているか分からず、何か足りない気がするけど何が足りないのか分からない。そして自信を失った時、助けてくれる人がいないことに気づいた。僕はどんどん真ん中へ引きずられていき、知らないことを知らないで済ませることをなんとも思わなくなっていた。神と悪魔が闘っていたことさえ僕は知らないのだろう。
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2006年1月10日(火)
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さて、2006年になりました。前回で書いたように、去年のテーマは「自然体」でした。今年はというと、ずばり「アーティスト」です。具体的には、春にセカンドアルバムをリリースして、夏から秋にかけてElecTrickに出演するというのが目標です。今年は音楽一色でいこうと思います。見た目も中身も。見た目はかなり頑張らないといけないと思いますが。なにせファッションというものにとんと興味がないもので。寝癖でぼさぼさの頭で平気で外へ出ますし。まあ、がんばりますよ。ステージではかっこよくきめたいですな。中身は正月そうそう音楽漬けだったので大丈夫だとは思いますが、気を抜くとすぐにだらけてぼーっと一日を過ごしてしまうので気を付けたいです。時間はほんとにあっという間に過ぎていきます。年をとったからでしょうか。たった数十分でも無駄にしてしまえば大きな損失となって後悔だけが残ります。何もかも中途半端で終わらせてきた僕。いつも変化を恐れて一歩を踏み出せなかった僕。新しいものに常に憧れながらただ見ているだけだった僕。今年は変わります。もちろん失敗は怖いです。まだ始まったばかりなのに怖くて逃げ出したいぐらいです。失敗したらどうぞ笑ってやってください。僕はそれに耐えてみせます。心の中で自分自身に「よくやった」と言い聞かせながら耐えてみせます。チャレンジできた僕に、少しだけ大きくなれた僕に、堂々と胸を張って今年の大晦日を迎えたいです。
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2005年12月28日(水)
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今年ももうすぐ終わり。実は今年は「自然体」がテーマでした。具体的ではないですが、自然体でいようと心がけた一年でした。無理していたことをやめて、自分らしく。少しは自分らしくなれたかな?ちょっと言いたいことを言い過ぎたかもしれません。変わらないということにストレスを感じていたからです。新しいことにチャレンジするからこそやる気も出てくるのです。しかも毎回「新しいことにチャレンジしろ」と言われるのですが、僕の周りは何も変わらない、変えようとしない。そのギャップがどうしても自分の中で納得ができませんでした。そういう雰囲気が嫌で、新しいことを求めて自己主張した年でもありました。組織が大きくなっているにもかかわらず周りは変わらないので、同じ組織にいると思えなくなりました。いつのまにか組織を外から批判的に見ている僕がいました。これで良いはずがありません。僕にとっても、組織にとっても。同じ場所に長く留まることに何も利点はないと思います。たとえ半歩でも前へ踏み出すことが必要だと思います。少なくとも僕は同じことを繰り返して生きるようなことはしません。常に新しい思想を取り入れ、変わっていきたいのです。もちろん変化にはリスクが伴います。でも変化を成し遂げた後の達成感にはかないません。まだこの戦いに結論は出てませんが、来年気分を新たにして何か違うことができたらと思っています。来年は、「変化・挑戦」の年です。重要な年になりそうです。
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2005年11月16日(水)
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「おじいちゃん、どうして犬や猫は殺しちゃいけないって思うけど、蟻や蚊は殺しても平気なの?」
「いい質問だね。小さくなればなるほど人はそれを価値があると思わなくなってしまうんだ」
「へぇ。じゃあ蟻や蚊は殺してもいいの?」
「いや、そんなことはないよ。人は外からいろんな情報を吸収しているんだ。その情報によって多くの人に共通の考え方が備わってくる。常識ってやつだな。常識は正しいことだと思われているようだが、本当はそうではない。大部分の人が間違っていて、ごく僅かの人が正しかったりすることもある。大切なのはそれが正しいかどうかをよく考えることなんだ。お前が大多数の方にいようが少数の方にいようが安心してはいけない。正しいかどうかはそれだけでは決して分からない。だから蟻や蚊を殺してもいいというのは常識でしかないんだ。お前はこれが正しいかどうかをよく考えなくてはいけないんだよ。よく考えた結果、蟻や蚊は殺してはいけない、という結論に達したら他の人が何と言おうと自分の考えを最後まで通しなさい。もし後で考え方が変わったとしても素直にそれに従えばいいんだよ。答えはお前の中にしかないんだから」
「難しいなあ。自分でよく考えなくてはいけないということなんだね。ありがとう」
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2005年8月3日(水)
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僕はずいぶん子供らしくない子供だった。大人達に怯え、大人達が望むことは何なのかを常に考えいた。成長するにつれ、同級生にも怯えるようになった。嫌われないように必死に笑顔を作り、本当はやりたくもないリーダーをやっていた。断ることができなかった。自分がやりたいことより、他人が喜ぶことを優先していた。しかもそれが当然だと思っていた。あの大事件が起きるまでは。ずっと無理をしてきて日ごとに歪みが大きくなっていくのにも気づかず、ましてやその歪みがじきに大きな爆発を引き起こすことも知らずに。爆発?そうまさに爆発だ。本当ならばその爆発は小規模な被害で終わるはずだった。しかし気づきもしないで長年ため続けた歪みを刺激し、小さな爆発はいくつもの小さな爆発を生み、結果的に回復不可能ではないかと思われるほどの大きな爆発になってしまった。そう僕は生まれてすぐ翼に傷を負って飛べなくなった鷹のようだった。そして翼は飛ぶためにあるということを知らないで歩き回っていた僕に、片足を失うという事件が起きた。目の前が真っ暗になった。その頃には翼が飛ぶためにあるということに気づき始めていた。周りのみんなは自由に空を飛んでいたことに気づいてしまった。僕は飛ぶことはもちろん歩くこともできなくなっていた。絶望の真ん中でもがいていたけど、不思議と涙は出なかった。悲しみが度を超してしまうと涙さえも出なくなってしまうんだな、と思った。何度も死のうと思ったけど、死ぬ勇気がなかった。怖かった。何もできない自分が嫌いだった。すがるように一冊の哲学書を手に取った。「私は誰?」「私は何のために生きているの?」薄っぺらい言葉達が並んでいた。哲学者はみんな暇なんじゃないかと思った。暇潰しに人生を言葉で表現してみました的な文章だった。もっと深く知りたいと思った。人間に生まれた意味を。僕が僕である意味を。僕ができる何かを。知りたい。馬鹿なことをして時間を無駄にしている暇はない。急ごう。僕は僕で君ではない。僕は探し続けるだろう。たった一つの真実を。あなたのもとへ行く日まで。
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2005年7月6日(水)
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胃がむかむかしてきた。様々な思考が折り重なって頭の上に覆い被さっている。その重みに耐えきれないかのように僕はひとつため息をついた。やるべきことはずっと前から分かっていた。でも思うように体は動かない。生まれたときの感動が消えないように早く仕上げなくてはいけない。時間が経ってしまうと永遠に続く渦の中に巻き込まれ、出れなくなってしまう。まさにその状況に陥ってしまった。どうしたら抜け出せるのか分からなかった。何も考えなくていい場所へ行きたかった。ただ何も考えず、時間が流れていることも知らずに生きたかった。僕の頭の中にはいつも誰か知らない人がいて、しかもひとりではなく何人もいて、僕を見ている。彼らはこそこそと僕の噂をし、ちらちらと目線を向けてくる。僕は考える。何かまずいことをしたか?何も思い当たらないけど。どうすればいいんだ?誰か教えてくれ。僕は走った。誰もいないところへと。走った。全速力で。彼らは僕に生えた尻尾のようについてきた。僕は急いで部屋に駆け込み、ドアの鍵をかけた。ひとつため息をつき、そこで命を絶つみたいに深い眠りについた。
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2005年5月21日(土)
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食生活の変化にはすさまじいものがあると思う。昔は手に入れることが困難だったものが、栽培技術や養殖技術が発達して誰でも食べれるようになったというような変化は歓迎すべきことだろう。しかし金儲けのことしか考えない企業や自分たちの利益しか考えない政治家たちのせいで、我々消費者が被害を受けていることがあるように思う。食のブランド志向を逆手にとった産地や種類の偽装。消費者においしいイメージを植え付けるための誇大広告。すべての食べ物はきれいなところだけをきれいに包装され、残りは捨てられる。食べたいものが手軽に手に入ってしまうために偏った食生活になり、知らず知らずのうちに体を蝕んでいく。自分で作ったもの以外、安全な食べ物はもはや存在しない。だから僕は食事制限を始めた。飽食の時代だからこそ、そして周りに情報が溢れかえっている時代だからこそ、体内に取り込むものを自ら選ばなければいけない。肉類、お菓子類、酒類、炭酸飲料は口にしない。間食は避ける。これを実施して消化器系の調子がすこぶる良くなった。最近のおいしいと言われているものの多くは企業が消費者を巧みに洗脳して作り出しているとしか思えない。味覚が変わったのではなく、考え方が変わっただけだろう。本当においしいものは時代とともに変化することはない。広告なんて一切出してない食べ物にもうまいものはある。それを探す楽しみが増えた。つい売れているものを食べる。つい新発売のものを食べる。そんな能動的な食生活を変えてみると違ったものが見えるかもしれない。
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2005年4月16日(土)
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全部周りのせいにしていた。周りが変わらないから僕が変われないと思っていた。心に穴が空いてもどうしたらいいか分からなかった。その穴は知らない間にずいぶん大きくなってしまっていた。よく考えずに、自分は悪くないと思っていた。でも、あるとき分かったんだ。周りを変えるのって、自分自身が変わることなんだと。自分の気持ちしだいで周りの印象が全く違うものになることに気付いた。周りを取り囲んでいた何万人もの敵を恐れる必要はもうない気がした。まだ少し怖いんだけど、少しずつ慣れていけばいいと思った。もう終わりにしよう。昨日までの自分を。もう一回始まるんだ。自分さえ変われば。何度でもやり直せるんだ。心の中を見つめ直し、本当に大切なものを大切に育てていけば。今まで大嫌いで無くなってしまえばいいと思っていたものが、僕の心が変わることで、いつのまにか必要なものになっていた。ありがとう、そこにいてくれて。ありがとう、僕から逃げないでいてくれて。ずっと大切にしていくよ。この気持ちを。
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2005年2月24日(木)
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ホームに電車が轟音と共に滑り込んできた。真っ赤な薔薇と彼女の笑顔が見えなくなった。上りと下りのホームが向かい合うこの駅は、僕のいる下りホームから彼女のいる上りホームがよく見えた。ついさっきまで見せていた笑顔は僕に見せていたわけではなく、別の誰かにみせていたのかもしれないと思った。確かに、どうして彼女が僕と会っているのか分からなかった。そんな余分な時間なんてあるはずがなかった。でも、僕も彼女もここにいる。電車が入ってくる前に、彼女が言った言葉が気になった。地下鉄の駅のホームというのは電車がなくても相当な騒音があり、その騒音が向かいのホームからの声をかき消した。僕は聞こえないと叫んだだけで、そのまま電車が来てしまった。本当に聞きたかったのであれば、向かいのホームまで走っていけたはずなのに。あきらめていたのか。これ以上近づけないと。彼女は上り電車に乗り込み僕に手を振った。僕は必死で笑顔を作り、手を振り返した。どこかのマジシャンの手から突然出てきた薔薇が偽物のような気がしてきた。もしかしたら僕が生きていることも、誰かのマジックによるものかもしれないと思った。僕は、しばらくしてやってきた下り電車に乗り込み、現実であるはずのところへと急いだ。
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2005年1月28日(金)
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自らを哲学病と語る中島義道さんの本を読んだ。電車に乗るたびに聞かなければいけないホームの放送や精算機が発する声がうるさくて耐えることができないという。なるべく放送がない駅を選び、それでも聞こえてしまうときにはいつも持ち歩いているヘッドフォンをつけてオペラを流すという。そういった騒音をほとんどの人が気にしてないというのが信じられないという。だから彼のような人は生きにくいのだそうだ。僕はそんな騒音をうるさいと思ったことは一度もない。しかし、同じように電車に乗る時はいつも生きにくいと感じている。それは僕が知らない人が怖いからだ。電車の中で知らない人に囲まれると、周りの人が僕を見ているんじゃないか、心の中で僕を笑っているんじゃないかと思って怖くてたまらない。混んでいて体が触れようものなら体を縮めて息を殺す。なるべく目立たないように。なるべく注目されないように。恐怖で冷汗をかき、体が硬直する。電車を降りると疲労だけが残る。駅の放送など全く耳に入らない。満員電車に無理矢理自分の体を押し込みながら平気な顔をして乗っていく人が信じられない。僕のような人はいつも生きにくいと感じている。これは哲学病なのか。それともただの病気か。逃げるのは簡単だ。引きこもるのは簡単だ。でも、生きにくい世の中でも自分らしさを失わずに生きるのはなんて難しいことなのだろう。ほとんどの人がなんとも思わないことを生きにくいと感じるごく少数の人を笑わないで欲しい。
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2004年12月29日(水)
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僕は昔から新しいことを始める時怖くてしかたがなかった。ちょっとしたこと、ただ行ったことのないところへ行くだけでも頭の中では常に悪い方へ悪い方へと考えて行くのをやめる。隣町に新しいお店ができたのを知って明日行こうと思う。当日になって窓から外を見る。雨が降りそうだ。地図で場所を確認する。遠そうだな。自転車で行ったら疲れるだろうな。行くのやめようかな。どうしよう。どんどん時間が過ぎていく。今から出たら帰り遅くなっちゃうな。行くのやめよう。と、始めは行きたいという気持ちでいっぱいだった頭の中が、どんどん悪いことを考えだし、最後には想像できる限りの最悪な事態を想定し行動に出ることをやめてしまう。こんな小さなことでさえそうなのだから、もっと大きいことができるはずがない。新しいことをしたいという自分は、それをやることによって発生するリスクを恐れる自分に勝つことができない。今になってもまだ克服できていない。恐怖に勝つ方法をまだ見つけられない。でもいつか、その恐怖を克服し、たくさんの新しいことに挑戦し、自分を変えていけたらと思う。
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2004年11月13日(土)
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夢中になれるものをひとつ持っていますか?ほんとに好きなことを。知識を詰め込むだけ詰め込んで、同じレールの上を歩かせてきました。良い大学に入って、一流企業に就職し、確実にお金を稼いで安定した暮らしをするのが幸せだと教わってきました。でも、それはもう昔の話です。今はみんなと同じことをやっていてはいけません。どこにでもいる普通の人には仕事がなくなっていくでしょう。「趣味を仕事にするな」という言葉をたくさん聞きました。でも、これだけは人に負けないというものを追求し続けることができるなんて、なんて幸せなんでしょう。そういう人が成功するのではないでしょうか。物を持つことだけが幸せじゃないと、みんな気付いてきているんじゃないでしょうか。もちろん好きなことを続けていくには周りの人達の助けが必要です。ひとつのことに夢中になれるのはありがたいことなのです。そうやって生きていくことが、これからの生き方だと思います。こうやって大好きな音楽を作って皆さんに聴いてもらえるなんて、僕は本当に幸せです。ありがとう。ありがとう。ありがとう。
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2004年11月12日(金)
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自動車保険、毎年自動更新してませんか?僕は、毎年保険会社を変えています。自動更新するより数千円安くなることもあります。たくさんの保険会社から一括で見積りを取れるサービスを活用すれば比較が簡単です。更新が近い方は一度ここから、自動車保険15社無料一括見積もり依頼してみてはいかがでしょうか?
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2004年11月1日(月)
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天災だって?ふざけるなよ。お前はバカだ。
天災だって?ふざけるなよ。全部お前のせいだ。
いつも犠牲になるのは罪のない人たちだ。お台場あたりを日本中のゴミかき集めて埋め立てて、原発のひとつやふたつ作ってみろよ。世の中おかしくしてるのは東京の連中だろ?東京の奴らが木の家建てたいから?木の家具欲しいから?くだらねぇチラシばらまくために?豊かな森林を切り開いて、大雨降って山が崩れたら天災だと?東京の奴らが吐き出す汚い気体、垂れ流す汚い液体、置き去りにする汚い個体、全部お前のそばに溜めておけよ。危険と分かっていながら安全だと嘘をつき地方へ持って行く。一部の金持ちしか喜ばねぇ戦争の手助けをする。物質的に豊かになるためには、母なる地球を傷つけてもおかまいなしだ。東京よ、一度痛い目にあえばいいさ。僕はこの代償を払う覚悟はできてるよ。たぶん。
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2004年10月6日(水)
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明日死ぬと分かったら、今日この人生を唄に残そう。
明日死ぬと分かったら、今日あなたが抱える問題を解決してみよう。
明日死ぬと分かったら、今日最期の涙を流そう。
明日死ぬと分かったら、今日この命を断とう。
明日死ななかったら、今日を精一杯生きれたことを感謝しよう。
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2004年9月20日(月)
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「勉強ができるかできないかは100%先生の責任で、子供や親の責任ではない」と大学の日本語の授業で恩師がおっしゃったのを今でも覚えている。それでは、犯罪に手を染めてしまう人の責任は誰にあるのだろう?責任の大部分は社会にあると思っている。社会が植え付ける恐怖が人をおかしくしてしまうからだ。企業は、これを持ってないと友達に嫌われるよ、と言わんばかりの宣伝で購買意欲をかき立て、政府は、軍隊を持たないと隣国が攻めて来たらみんな殺されてしまう、とほとんど国民を洗脳して自分たちの利益をむさぼる。周りには情報が処理しきれないほどあふれている。しかし、メディアはすべての情報をバランスよく提供してくれない。殺人事件があれば、子供が溺れているのを助けた話はなかったことになってしまう。情報を処理して何が本当なのかを見極める力が必要なのに、学校ではそんなことはほとんど教えてくれない。社会に出ても役に立たない化学式を覚えることに必死になっている。みんな持ってるからそれを買うのかい?隣の家には殺人犯が住んでいるから話しかけないのかい?国産黒豚って表示してあっても本当はオーストラリア産らしいぞ。新米って書いてあっても本当は古米が混じってるらしいぞ。どうなっちゃったんだ?怖くてたまらないよ。後ろを歩いている奴に刺し殺されたらどうしよう。話しかけられたらこの護身用のナイフで刺してやろう。すべてが怖いんだ。何を信じたらいいんだ?教えてくれよ。安心して暮らせるところはどこにあるんだ?
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2004年8月9日(月)
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誰かが物事を批判しているのを聞くと、あいつはそれが嫌いなんだと言うが、本当にそうだろうか?批判しているものはすべて嫌いなものだろうか?この世の中完璧なものなんてひとつもない。好きなものでも欠点は必ずある。それを批判することは、好きなものを少しでも良くしたいという気持ちからのものが多い。嫌いなものを批判するときは、先入観にとらわれていたり、曖昧な批判だったりする。でも、好きなものを批判するときは、具体的で的確な批判である。好きなものを好きとしか言わなかったら、それ以上の向上はない。好きなものほど批判するべきだ。嫌いなものは放っておけばいい。興味のないものに口出しするべきではない。その人がなぜ批判しているのかを考えることは大切なことである。それが好きなのか嫌いなのかで全く違った意見になってしまう。Michael Mooreを悪者だと決めつけるのはもう少し待った方がよさそうだ。
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2004年7月5日(月)
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僕にとって音楽とはセラピーである。心を安定させるために耳で聴く薬である。心では、喜び、悲しみ、怒り、安心、不安などが複雑に入り乱れ、それぞれの占める割合が刻一刻と変わっていく。様々な要因による複雑な強弱関係の中でなんとかバランスを保っている。怒りばかりのヒップホップや恋愛と失恋しか歌わないポップソングではそんな複雑な心を癒すことはできない。薬となりえるのは、共感できる言葉であり、心にしみるメロディーである。僕も何度も人生につまずき、生きるのが嫌になった。そんな気持ちを素直に詩(うた)にするからこそ、聞き手の疲れた心、希望を失った心に直接入り込み、楽にすることができる。決して消極的ではない。決して絶望ばかりではない。何不自由なく暮らしている人よりこの理不尽な世界でぎこちなく、でも一生懸命生きている人の方がかっこいい。明日の薬は、そんなふうに今日を生きるあなたへの応援歌である。
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2004年6月27日(日)
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タバコは吸わない。炭酸は飲まない。流行ものに興味はない。絶対にお前の言いなりにはならない。
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2004年6月12日(土)
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新聞は買わない。大きくて、かさばって、読みづらいから。通勤電車の中で読もうとは思わない。値段はそのままで、雑誌サイズの経済新聞があったら、毎日の通勤電車で読みたい。
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2004年5月10日(月)
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自分自身にやる気を起こさせるのはどうすればよいのだろう?自分の殻に閉じこもり、外の世界から遮断されてしまうと、楽な方へ行きやすくなる。やはり、周りの人達に刺激されることが一番よいのかもしれない。一人でも生きていける強さが欲しい。
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2004年3月28日(日)
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ニュースなんていらない。どうせドラマのようにしか見ないのだから。タイヤが外れて人をひき殺したって、中東の都市に爆弾が落ちたって、アフリカの子供たちが飢えていたって、オゾン層に穴があいたって、どうせ明日には忘れてしまうんだろ?悲しんだり、怒ったり、喜んだり、でも結局は自分と関係ない話なんだ。どこか遠いところで起こっているドラマなんだ。事件が起きたときに本気で怒ったり悲しんだりするのは被害者だけで、周りの人は見ているだけ。だからまた事件が起きるんだ。そしてやっと自分が被害者になったときに事件の重大さがわかるんだ。ニュースぐらい見ろ、新聞ぐらい読めって言われるけど、役に立ったことなんてあるのかい?分かった気になって満足しているだけじゃないのかい?だからニュースなんていらない。
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2004年3月3日(水)
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日本製品はダサイというイメージがある。日本文化が西洋文化の物まねになってきていることを考えれば当然かもしれない。しかし、日本製品には世界に誇れるすばらしいものがたくさんある。ピアノ、シンセサイザーなどは世界中の一流プロミュージシャンが日本製を愛用していることからも分かるし、日本車や日本製の電化製品などが人気があることからも分かる。アップルコンピュータのiPodは東芝や日立のハードディスクを使っていたりする。日本製とは知らずに使っていたり、日本で開発された技術が世界で使われていることを知らないだけなのだ。さあ、胸を張って言おう。「日本製品が好きだ。」マックのハンバーガーを食ってぶくぶく太っていく国民のまねごとなんかする必要はないんだ。もっと日本製品に誇りを持とう。日本製品を良くするのも悪くするのも日本人の心がけ次第だ。迷ったら日本製を買いなさい。
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2004年2月22日(日)
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なにもかもが嫌になり、車に乗り、人のいないところに行こうとした。でも結局ここに帰ってきた。僕にはすべてを捨てて遠くへ行く勇気なんかないんだ。
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2004年2月21日(土)
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どうしてもっと優しくなれないのだろうか?一歩さがってあげたらみんなが喜ぶのに。どうしてあとほんの少しだけ優しくなれないのだろうか?周りを見て少し譲ってあげたらみんな楽になるのに。他人には迷惑をかけてもいいの?みんな同じように怒っているんだよ。みんな急いでいるんだよ。みんなこんなところにいたくないんだよ。その優しさは窮屈?損したと思ってる?他人のことなんて関係ない?ちょっとした優しさが今日を良い日にしてくれるのに。どうして僕は優しくなれないのだろうか?
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2004年2月5日(木)
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「明日の薬」は効いているだろうか?ひとそれぞれ種類も効能も違うけど、みんなひとつやふたつ持って生きている。劇的な効果はないかもしれないけど、明日を生きてみるのもいいかなと思わせてくれる薬。見つけられないだけで、すぐそばにかならずあるはず。大金を支払っても手に入れることはできない。でも少し考え方を変えれば簡単に見つかってしまうかもしれない。何気なく飲んでいる「明日の薬」。一度何を飲んでいるのか確かめてみよう。
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2003年12月11日(木)
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最近は、時間がない→焦る→進まない→時間がないという堂々巡りになることがある。かつて人は時間という概念を発明し、時間を操っていた。いつしか時間は普遍的で人の手の届かないものになってしまった。人はいつも時間を気にし、時には怯え、あきらめる。時間の流れに付いていくことだけに必死になり何をやっているのか分からなくなる。創造するという行為は個人の中にある時間の流れを止めることで行われる。時間に追われていては良いものを造ることはできない。自分の中の時間を止めて心を無にすることができる人が芸術家になれる。例えば同じ絵描きでも、金稼ぎで絵を描いている人と芸術を創造している人の違いはここにある。近頃本物の芸術家が少なくなったと言われるのは、時間の流れが速くなりすぎたせいかもしれない。
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2003年7月29日(火)
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最初のアルバム「Unfinished Business(仮)」の2曲目になる予定の「Just a Little...」の歌詩が完成した。「Unfinished Business」は、小説「The Great Blue Yonder」に影響されてつけたタイトルだ。人は死ぬと別の世界へ行き、さらに「The Great Blue Yonder」と呼ばれるところへ行くが、やり残したこと(Unfinished Business)がある人はそれを果たすため自分が生きていた場所へ戻ろうとする。今やるべきことを明日にすることは簡単だ。でも、時間は無限ではない。いつか後悔する時がくる。僕を含め、今日を楽に生きようと思っている人に今日を精一杯生きることの大切さを少しでも伝えられるアルバムにしたい。
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2003年2月13日(木)
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ずっと押し入れのすみにしまっておいた箱をそっと開けてみた。ずいぶんほこりをかぶって古ぼけてしまったけど、確かにそこにあった。もう一度やり直せるだろうか?今度こそ成功するのか?不安がよぎった。いや違う。完成させようと焦らなくてもいいんだ。続けることが大切なんだ。そう思った。どうなるか分からないけど、ほこりをはたき落とし、もう一度箱の中のものに光をあててみよう。ゆっくりゆっくりと時間をかけて。
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